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果樹に虫はつかないのですか?

果樹の害虫に関する質問ですね。残念ながらモモやリンゴにはたくさんの害虫が寄生して大きな被害を与えます。果樹栽培は害虫との戦いといっても過言ではありません。だから果樹の栽培は無農薬という訳にはなかなかいかないのです。もちろん 「赤い実の熟れる里」 では、フェロモンを使ったり色々な工夫をして減農薬につとめています。また色々な研究機関で、天敵を使った生物農薬の研究も進められています。こういった天敵や生物農薬の研究が進んで、農薬を使わない果樹栽培ができるようになる日が来ることを祈っています。

色々な害虫が知られていますが、その一部を紹介してみましょう。 ナミハダニ リンゴハダニ という ダニ類 は梅雨開けから盛夏にかけての赤い実の大敵です。ナミハダニは果樹で問題となるハダニ類のなかでもっとも有名なものです。寄生範囲が広く、リンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、オウトウ、スモモ等ほとんどの果樹に寄生するほか、野菜、花き、雑草などの草本植物にも寄生します。寄生の程度がひどくなると葉っぱの機能が低下し、果実が大きくなれなくなるばかりでなく、着色、糖度、あるいは花芽形成にも悪影響を及ぼします。

モモシンクイガ ナシヒメシンクイ という シンクイムシ類 も果樹の大敵です。とくにモモシンクイガは幼虫が果実に進入して害を与えるので、果樹では最も重要な害虫として知られています。この虫がたちが悪いのは果実だけに寄生することです。産卵はほとんど萼顎部にされ、幼虫もこの近くから果実に侵入します。幼虫の侵入部位からははじめ果汁が出て、これが涙状に固まるといわれます。やがて幼虫は果肉部を不規則に食害し、最後には果芯部までを食害するにいたります。最終齢になると果面に穴を開けて外に脱出するのですが、この穴は針を刺したように直線的に果芯部に達するので、この虫にはハリトオシの別名があります。ナシヒシメシンクイはモモやリンゴのほかスモモ、アンズの果実などと、ほとんどの果樹の新梢に寄生することが知られています。

桃には モモアカアブラムシ カワリコアブラムシ 、林檎には ユキヤナギアブラムシ リンゴアブラムシ などの アブラムシ類 も大敵です。ひとつだけ詳しく説明してみますと、モモなどの核果類の樹に モモアカアブラムシ 寄生すると、葉っぱを不規則に激しく縮らせたり、ひどいときには葉が落ちてしまいます。そして葉の機能が低下し、新しい梢の伸びるのが妨げられてしまうのです。放っておくと、樹は衰弱して果実は大きくなることが出来ないばかりか、翌年の花芽の形成にも悪影響を与えます。モモなどでは最も問題となるアブラムシとして知られています。

まだまだ一杯ありますが、この問題は「天敵の研究」 と合わせて別のコーナーでもう少し詳しく説明したいと思います。